AERA Money 2022秋冬号
AERA Money 2022秋冬号

 まだあります。iDeCoは企業年金と同列の扱いで、本来、運用している資産残高に対して年1.173%の「特別法人税」が課されることになっています。

特別法人税は何度も延期され、現状では2023年3月末まで支払う必要はありません。しかし、企業年金の運用残高に課税されるならまだしも、個人が拠出するiDeCoに課税するのはいかがなものか。iDeCoだけでも特別法人税は撤廃すべきです。

 国は「貯蓄から投資へ」を国策に掲げてきました。そのわりに、iDeCoは手続きや手数料の面でお役所体質が抜けきっていません。簡単に加入できて、安心して運用できる制度設計を求めます。

(構成/編集部・中島晶子、伊藤忍)

※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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