■検体を正しく採るには

──一般用医薬品として薬局やインターネット上で販売される新型コロナウイルスの抗原定性検査キットが増えている。厚労省は12月5日には、新型コロナウイルスとインフルエンザの感染の有無を同時に検査できる検査キットを一般用医薬品として承認した。

 年末年始に不特定多数で集まる場合や、帰省する場合などは、ぜひ積極的に抗原定性検査で感染していないことを確認してから出かけていただきたいです。

 抗原検査では、検査をするための検体の採取方法に注意して下さい。鼻の粘膜の粘液を採る時は、綿棒を鼻の奥までしっかり入れて下さい。正しい結果を得るために、説明書をよく読んで検査をして下さい。

 唾液の検査は、食事や歯磨きをした直後は、ウイルスが流されてしまっている恐れがあります。空腹時あるいは、食事や歯磨きから2時間以上経ってから検査するようにして下さい。

 また、不調を感じて検査する場合は、検査するタイミングにも配慮して下さい。体調が悪くなった直後ですと、体内のウイルス量が少ししか増えていないために、感染していない(陰性)という結果が誤って出てしまう恐れがあります。それを避けるために、最低でも12時間以上経ってから、再度検査して下さい。2回続けて陰性なら、かなり高い精度で陰性だと言えます。

(構成/科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

AERA 2022年12月19日号より抜粋