AERA2022年9月26日号より
AERA2022年9月26日号より

 米国の現地時間で9月20~21日には、米国の金融政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。当初は0.75%の利上げとの予想が主流だったが、8月のCPIを踏まえて1%まで拡大させる見方も出てきた。

 あるいは、9月は0.75%にとどめるものの、11月のFOMCでも同率の利上げを継続するとの声も聞かれる。いずれにしても、来年以降に期待される利上げ打ち止めが遠のく可能性もあると指摘するのは、松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎さんだ。

「今後も利上げが続くとなれば、株式市場がリスクオフ(資金回収)の方向に傾くことは避けられません。日米金利差拡大に伴って、米国ではドル高・株安が同時進行する可能性が考えられます。日本側から見れば、為替市場で円安の流れがさらに続くことになりうるでしょう」

 11月に中間選挙を控えるバイデン大統領がインフレ抑制策を打ち出すことも予想されるが、大幅利上げに伴う景気後退懸念のほうに関心が向けられがちだろう。米国株を取り巻く環境の好転は期待しづらい情勢だ。(金融ジャーナリスト・大西洋平)

AERA 2022年9月26日号

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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