1ドル=144円台で推移する為替相場=9月14日、東京都
1ドル=144円台で推移する為替相場=9月14日、東京都

 米国のインフレの勢いが収まらない。8月のCPI(消費者物価指数)は想定を上回り、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)による利上げの観測が高まっている。利上げが続くと、どんな影響があるのか。AERA 2022年9月26日号の記事を紹介する。

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 9月13日、米国の主要な株価指標であるニューヨークダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)は前日比1276ドル安で取引を終え、下落幅、下落率ともに今年最大となった。急落を誘発したのは、同日朝に発表された8月の米国CPI(消費者物価指数)だ。

 前年同月比8.3%の上昇を記録し、事前予想の8.0%を上回った。7月頃からガソリン価格が下落に転じ、インフレ(物価上昇)が鈍化したとの観測が広がっていただけに、金融市場に大きなショックをもたらしたようだ。

 こうしてインフレが続いていることが確認されれば、米国の中央銀行に相当するFRB(連邦準備制度理事会)は利上げを実施せざるをえない。冒頭で触れた米国株の急落も、「想定以上にインフレが進行⇒FRBが大幅利上げを実施する」との連想が売りを触発したからだ。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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