若い女性の首相が次々に改革を成し遂げられる国、フィンランド。そこにはもはやガラスの天井なんてないでしょう、と我が国を顧みつつうらやましさ半分で問うと、返ってきたのが冒頭の答え。「ガラスの天井は日々破っていかなければ」という。

 といっても、肩に力がこもっているわけではない。もう一つ印象的だった答えが「(社会が)効率的なだけでなく、国民も必ず幸せ(happy)であってほしい」だ。効率と合理性を追い求めるだけでは不十分で、そこに幸せがなければ……。

 分刻みのスケジュールで慌ただしいインタビューを終えると、次の取材に向かう合間に立ち止まり、コーヒーで一息いれていた。その姿がまさに自らの言葉を体現しているように思えた。

 10年たってもまだ46歳。「世界をより良い場所にしたい」という彼女がそのとき何をしているのか、楽しみだ。

AERA2022年8月8日号(撮影/写真映像部・東川哲也)
AERA2022年8月8日号(撮影/写真映像部・東川哲也)


AERA 2022年8月8日号