AERA 2022年7月4日号より
AERA 2022年7月4日号より

 一方で、元阪神のエースで解説者の池田親興(ちかふさ)さん(63)は40年間1割打者が出なかったのは、そういう選手が「使われなかったから」だと語る。

「考えるべきは、山倉さんや甲斐がなぜ1割台でもレギュラーなのかです。山倉さんは江川卓さんや西本聖(たかし)さんを巧みにリードし、チームの扇の要として巨人を優勝に導いた。甲斐もスーパーキャッチャーとして藤本博史監督の信頼を全く失っていないし、仮に1割台で終わっても価値は下がらないでしょう。そこに『違う価値』があるからです。シーズン終了までレギュラーとして価値ある存在でいられる1割打者がいたとしたら、それは逆に、すごいことだと思いますよ」

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2022年7月4日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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