海外でも認められたい
眞栄田:デビュー後しばらくはわからないことばかりで、もらった台本をそのまま演じるのが精いっぱいでした。でも、演じるということは、浅いことではなくて。自分の意志をしっかり持ってぶつかりたいと思いましたし、制作の方々と対等にディスカッションできるよう準備をして現場に臨みたいと思っています。
――将来の目標を尋ねると、意外にも「生活できるお金を稼いで、贅沢(ぜいたく)でなくても自由に生活できればいいな」と堅実な答えが返ってきた。だが、「役者としての目標は違う」と話す。
眞栄田:最終的には海外でも認められたいという目標があります。その前に、日本で認められることはもう絶対です。外国で認められるとはイコール、アメリカで認められるということになるのかな。アカデミー賞もありますし。アメリカでアメリカの俳優たちと対等に芝居ができる。その上で評価をいただくというのがやはり最終目標です。
――これから演じてみたい役を尋ねると、こう即答した。
眞栄田:苦労したいですね。苦労する役ってなんだろう。たとえばハンデがあるとか、みんなが見たことがない役とか。僕は出演作を自分で決めていますが、新しい自分、見たことのない表情や芝居を見せることを大切にしています。なので、演じたことのない役は全部やりたいというのが正直なところです。苦労する役はやったことがないですし、体験したことがないから刺激になる。面白いと思いますし、間違いなくやりがいがあり、成長できると思うんです。
(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2022年5月23日号