eggモデルと編集長の卒業イベントで、ランウェイを歩くモデル。観客から「かわいい」と歓声が上がっていた(撮影/張溢文)
eggモデルと編集長の卒業イベントで、ランウェイを歩くモデル。観客から「かわいい」と歓声が上がっていた(撮影/張溢文)

「セブンティーン」「マリソル」「with」「JJ」……。往年の女性ファッション誌が相次いで休刊や定期刊行をやめた。そんななか復刊を遂げた雑誌がある。その理由は──。AERA 2022年4月25日号の記事を紹介する。

【写真】手を広げたエッグポーズで写真を撮るegg編集部員

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 3月下旬の昼間、東京・渋谷にあるクラブの前で、派手な男女が列をつくっていた。肌がちょっと小麦色の女性は、涙袋にラメ入りの真っ白なアイシャドーで、大きな目が輝いていた。伝説のギャル雑誌「egg」のイベントに参加するためだ。

 eggは1995年に創刊し、コギャルやルーズソックスを積極的に取り上げてギャルカルチャーをリードしてきた。モデルの益若つばさ、押切もえらが輩出したが、2014年に休刊した。それが18年にウェブ版で復活し、翌年には紙で復刊。現在は年2回発行している。

 それにしても、ギャルって最近見かけないような……。3月まで編集長を務めた赤荻瞳さん(25)は言う。「eggが休刊したこともあり、渋谷でギャルを見かけることが減りました。でも、SNSにはいるんです」

■SNSに潜むギャル

 たしかに、インスタグラムで「#ギャル」と検索すると100万件以上の投稿が出てきた。多くがギャルのスナップ写真だ。ギャルは確実にいた。

「読者層は10代から20代半ばくらいで、意外と年上なんです。懐かしいって手に取ってくれる人もいるし、eggのYouTubeチャンネルを見て興味を持ってくれる子、eggが好きなお母さんから影響を受けた子もいます」(赤荻さん)

 ギャルファッションが目新しく映るのか、イベントにはルーズソックスをはいた大学1年生(18)の姿も。派手なロングヘアの女性に声をかけると、千葉県からきた中学1年生(13)だという。彼女にとって、eggは唯一無二の存在らしい。

「インスタを見て、モデルさんがかわいいと思って、eggを知りました。他の雑誌よりギャルに振り切っているのがかっこいいなって。お小遣いで買った雑誌は特別です」

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