占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.

 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

*  *  *

Q:最近、15年来の友人と縁が切れました。発端は、コロナ禍で価値観の違いが浮き彫りになり、「あなたは不幸ぶっている」という一言がきっかけでした。当初は悲しみと怒りで頭がグラグラしていましたが、むしろ違和感がなくなったすがすがしさがあります。私が薄情だからでしょうか?(女性/図書館スタッフ/29歳/いて座)

A:いただいたご相談を読んで、すごく切ない気持ちになりました。15年来の友人だから、中学生ぐらいからの親友同士なのかな。ちょっと失恋に似たハートブレイクというか、そういう感じがします。

 僕自身も大人になってから気づいたんですが、親友同士ってしゃべりすぎてしまうときがありますよね。甘えさせてもらっている部分もお互いにあるし、でも人間同士だから完璧に考え方が一致することはない。

 それはどの関係であってもそうです。家族であっても恋人であっても親友であっても、相手への違和感って少なからずあるものだと思います。それが蓄積されて、何かのきっかけで爆発してしまうこともあります。いて座は情の深さを持っている人たちだからこそ、相手に深入りしすぎてしまうこともある。

 でも、みんなあまり口には出していないけど、こういうことは多くの人が経験しているように思います。相手にはっきり言って別れるか、言わずにフェードアウトするかの違いだけで。それは切ないけれど、「大人の階段」の一部なのかもしれません。

 24、25歳ぐらいまでの友達と、それ以降の「友達のあり方」って、大きく変わっていくような気がします。精神的にもまだ子どもでいられる24、25歳までは、物語って誰かと共同作業で作っていくもの。でも25歳を超えた辺りで、自分の物語を一人で作っていかなければいけなくなってくる。それは大人になることの一種の切なさでもありますが、大人になるとやっぱりそれぞれの利益を追求していかなければいけないと思うんです。

著者プロフィールを見る
しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

しいたけ.の記事一覧はこちら
次のページ