英語のpumpkinは日本語の「カボチャ」ではない ことばはカンペキに翻訳できないもの (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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英語のpumpkinは日本語の「カボチャ」ではない ことばはカンペキに翻訳できないもの

連載「帰国ママのバイリンガル子育て奮闘記」

大井美紗子AERA#AERAオンライン限定#子育て
アメリカの「pumpkin」は、日本の「カボチャ」とはちょっと違う。日本風のカボチャは英語でも「kabocha」と表記することが多い(写真/著者提供)

アメリカの「pumpkin」は、日本の「カボチャ」とはちょっと違う。日本風のカボチャは英語でも「kabocha」と表記することが多い(写真/著者提供)

 バイリンガル育児をしていると立ちはだかる、「翻訳できないことば問題」。わがやでは、英訳・和訳が難しい単語は日本語・英語のまま使うため、普段の会話は二言語のミックスになっていると前回お話ししました。

 考えてみると、この世は完璧には翻訳できないことばだらけです。たとえば、pumpkin(パンプキン)。もし英語のテストで「pumpkinは日本語でなんといいますか?」と問われたら、答えは十中八九「カボチャ」でしょう。皆さんもそう答えるのではないでしょうか。

【写真】こんなに違う!アメリカのシンプルなお子さまランチ

 でも、アメリカ英語のパンプキンと日本語のカボチャは、厳密には違うものです(イギリス英語はどうかわかりません)。アメリカでは、パンプキンは主に皮がオレンジ色のものを指します。日本のカボチャと比べると水分量と繊維が多く、甘みもないので、日本のカボチャのようにそのまま煮たり焼いたりして食べることはほぼありません。たっぷりの調味料で味付けし、スープやパイのフィリングにしないとおいしくないのです。渡米したての秋、「パンプキン=カボチャ」だと思い込んでいた私は和食を作る感覚でパンプキンを煮物にし、もうアメリカなんて嫌いだと自暴自棄になったことがあります。

 アメリカにも日本風のカボチャは流通しており、それらは「kabocha squash」や単に「kabocha」と表記され、pumpkinとは区別されています。アジア系の住民が比較的少ないアメリカ南部でもそうでした。日本語のカボチャということばは、英訳することができない。だから元の日本語がそのまま採用されているのです。

 ほかにも、一見同じように見える食材でもアメリカと日本では中身が大違いということがよくありました。melonは「メロン」とは別物の水分のかたまりだったし、carrotは「ニンジン」より甘かった。eggplantなんか中身がスカスカで、あれは「ナス」というより食器洗いスポンジに近いと思います。でもそんなことを言っていてはキリがないので、われわれは便宜上「melon=メロン」「carrot=ニンジン」「eggplant=ナス」ということにして、日々生活するしかありません。


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