たとえば、朝食はフルーツヨーグルトかトマトのサラダ、かぼちゃスープなど、ファストの組み合わせ。昼食は澤田さんもすすめる理想的なスロー食として、ごはんと味噌汁に魚か肉の和食。野菜もしっかりと。おなかがすいたら果物をつまみ、夜はグラス1杯の赤ワインとともにスロー食材を食べ、1日を終えるといった具合だ。

 テレワークで昼ごはんを食べるとだるくなる人は、朝をスローの食べ合わせでとって、昼はファスト同士のフルーツヨーグルトをたっぷり。夜はスローで締めるのもいい。腸を休ませるという意味ではこちらのほうが効果的だろう。

 驚いたのは、アダムスキー式では意外な食べ合わせが消化スピードの観点から見るとNGであること。たとえば、ファスト食材のトマトとスロー食材の小麦粉を使ったトマトソースのパスタやピッツァマルゲリータ、トマトとスロー食材のモッツァレラチーズを組み合わせたカプレーゼなどイタリア料理の定番はNGとされている。

 ファスト食材のカレー粉と、スロー食材のチキンを使ったチキンカレーも、よくない。居酒屋の定番「からあげ+レモン」も避ける。小麦粉で作られたスポンジにイチゴをのせたショートケーキも……。

「日本食としては一般的な、魚にレモン汁やかぼす汁なども、アダムスキーさんはよくないと考えています。でも『魚に大根おろし』はスローに属する理想的な食事です。カレー好きの方なら、トマトとカボチャを入れたカレー味のスープならファスト同士に。組み合わせを工夫すれば、自由度は高いです」

 パスタが好きなら、たらこ、ベーコン+ほうれん草など、トマト以外の具でおいしいものはいくらでもある。ただ、どうしてもトマトパスタを食べたい、チキンカレーを食べたいときもあるだろう。そんなときはエキストラバージンオリーブオイルなどの良質な油を食前に小さじ一杯程度、とればいいとのこと。がまんは禁物、毎日続けられるのが一番なのである。

■おやつにビターチョコ

 ニュートラル同士の組み合わせで注意とされていたのが、牛乳とコーヒーの組み合わせ。理由は、カフェインが牛乳の消化を妨げること。また、一般的な高温殺菌牛乳はラクターゼという消化酵素が破壊されているので、そもそも消化されにくい。よって、コーヒーを飲みたいならブラックか、豆乳やアーモンドミルクを混ぜるのがよい。どうしても牛乳がいいなら、低温殺菌タイプのものを選ぼう。

 ニュートラル食材といえば、ビターチョコレートがポリフェノールも豊富でおやつにおすすめだ。もちろん「おやつに果物」も、胃や腸に負担がかかりにくいのでよい。柑橘類またはイチゴやブルーベリーを選べば糖質も低めで、太りにくい。(ジャーナリスト・木村慎一郎、編集部・中島晶子)

AERA 2021年6月14日号

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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