腸に食べ物が滞留してしまうと、腸管の免疫機能の働きを弱らせ、必要な栄養素が取り込めなくなる。それを防ぐためにも腸での滞在時間が同じ食材同士を組み合わせて食べたほうが、体への負担を減らせる。

「ラクに動ける服のほうが快適なように、食べ合わせに気をつけることで腸が気持ちよく動けるということです」

 では「ファスト」「スロー」「ニュートラル」の食べ物とは? まずファスト食材は口に入れてから腸に下りてくるまで最短30分しかかからない。ほぼすべての果物、はちみつ、ヨーグルト、緑茶などが属する。野菜ではトマト、かぼちゃ、パプリカ。唐辛子やカレー粉などパプリカ由来の成分を含むスパイスもファストだ。優先的に食べたい食材は、果物では柑橘類。野菜ではトマトがナンバーワン。

 一方、スロー食材は腸に下りてくるまで7~9時間かかる。米や小麦などの炭水化物、肉、魚、大豆、チーズなどのたんぱく質、ナッツや海藻、きのこ類。玉ねぎと長ネギ、ナス以外の野菜全般もこの分類なので、一般的な食べ物はほぼスローと考えていい。

 ほぼスロー、といわれると食べるものに迷ってしまうが、“アダムスキー式スーパー腸活フード”としておすすめされているのはキャベツ、ブロッコリー、くるみ、大豆だ。

 そして“どちらでもない”のがニュートラル食材。腸の流れを速くし、消化を助ける。油や酢、野菜ではにんにく、玉ねぎ、長ネギ、ナスが属する。ワインやコーヒー、牛乳、砂糖、わさび、こしょうなども、このジャンルである。

■食べて出るまで40時間

 アダムスキー式では「ファストとスローをいっしょに食べないこと」とされているが、ニュートラルに関しては、ファストやスローとともに食べてOK。そしてニュートラル食材の中ではにんにく、赤ワイン、ビターチョコレートが特によい。

「食べ物を口にしてから排便するまでの時間は通常、約40時間かかります。つまりほぼ2日間ですから、私たちは体の中に常に5~6回分の食事を抱え込んでいる計算になるわけです。だからこそ、消化のいいファストと消化の遅いスローの食材をいっしょに食べないことで、体内で食べ物が“渋滞”することを防ぎます。腸自体が自らを浄化できる『すき間』の時間を作ってあげるためです」

■ファスト食は朝か昼

 すき間時間を作るためには、ファスト同士、スロー同士の食事の“順番”も大切だ。世の中の食べ物はスローが大半。そのため、スローに偏りがちな食事の中に、いかにファスト食材だけを使った食事を入れて腸を休ませるかが、アダムスキー式の極意である。

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