「雑談が苦痛です」発達障害の当事者同士が語り合う 脳のクセと社会との溝をどう埋めるか (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「雑談が苦痛です」発達障害の当事者同士が語り合う 脳のクセと社会との溝をどう埋めるか

豊浦美紀AERA
5月初旬、当事者会「発達お悩み語り合うかい?」で、参加者たちはハンドルネームを書いた名札を作り、参加理由や特性など自己紹介をしてから、「雑談」について語り合った(撮影/豊浦美紀)

5月初旬、当事者会「発達お悩み語り合うかい?」で、参加者たちはハンドルネームを書いた名札を作り、参加理由や特性など自己紹介をしてから、「雑談」について語り合った(撮影/豊浦美紀)

 発達障害の当事者たちが語り合うことで、特有の悩みや生きづらさを共有する場がある。AERA 2021年5月24日号が現場を取材した。

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 発達障害による生きづらさや対処法などを、当事者同士で語り合うピアサポートの場も広がっている。

「職場で1対1の会話はなんとかできるのですが、大人数で“他愛のない雑談”をするような場面になると、何を言えばいいかわからなくなり無口になります。するといつの間にか、同僚から仕事の情報をもらえなかったり、一方的に文句を言われたりして、ある日、私の心に鬱積していたものが爆発してしまいます。どうしたらいいでしょうか」

 神奈川県内の貸し会議室で開かれた、発達障害の当事者会「発達お悩み語り合うかい?」で、20~40代の参加者10人のなかの一人、休職中の男性が、「雑談」についての悩みを打ち明けた。ASDの傾向が強いという男性は、コミュニケーションなど人間関係の問題から10回以上転職を重ねている。

 すぐに意見が出始めた。話し方教室に通った経験があるという男性は「練習すれば、ある程度のコツをつかめますよ」。ASD傾向だという女性は「私も会話は情報交換が目的だと思っているので、雑談は苦痛です」。ほかに「クローズ就労でも、あらかじめ自分がどういうキャラか伝えておく勇気も必要」「雑談の必要性は会社や仕事にもよるので、探してみたら」「自分の心を守るために起業やフリーランスもいいかもしれない」といった語り合いが続いた。

■脳のクセと社会に溝

 主催者のまちわかさん(ハンドルネーム、40代男性)は、以前は都内や横浜の当事者会に参加していたが、もっと身近に集まれる場が欲しいとみずから始めた。毎回「また来たい」というリクエストの声に押され、定期的に続けてきた。

 発達障害と当事者会について、まちわかさんはこう語る。

「特性で悩んでいる人は多いのですが、脳のクセみたいなものだからどうしようもない部分はあります。そこから自分と日常社会の間にギャップが生じ、『なんで?』というモヤモヤした気持ちが壁のように立ちはだかってくるから障害なのだと思います。このモヤモヤを少しでも解消できるように、自分自身を偽ることなく本音で悩みを共有し知恵を出し合えるのが、当事者会の良さだと私は考えています」


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