将来自分が宇宙旅行をするとしたら滞在場所になるかも──。そんなISSの設備を美しい写真で「徹底解剖」した。旅行誌では外せない「行程」「グルメ」「旅行先での過ごし方」について、野口さんの実例をもとに解説。宇宙で食べられるあれこれ、宇宙に持っていきたいものリストや宇宙でのトイレ事情、自由時間の過ごし方などかゆいところに手が届く細かさで取り上げている。

■保湿クリームは必携

「宇宙食の中には一般に販売されているものもあります。試食すると、最初はフリーズドライの食感があるんですが、口に含んでいると本物みたいな味になりびっくり。僕のお薦めは、たこやきです」(有泉さん)

 たこやきがどこで買えるかは同誌で! ちなみに条件や制限があるものの、食品をはじめ好きなものをISSへ持ち込める。引火する成分が入っていなければ化粧品もOK。ISS内は乾燥しているため保湿クリームがマストだそうだ。パソコンを持ち込んでIP電話で地上と通話もできる。

 有泉さんは「僕が宇宙飛行をするとしたら、DJセットを持っていき、1977年にボイジャー探査機に搭載されたゴールデンレコードの音楽を片っ端から流したいですね」とのこと。

 宇宙旅行計画を立てる上で欠かせない「話題の注目プラン」や、各惑星の見どころをピックアップした「行っておきたい観光スポット」もばっちり。目を引くのは、国立天文台天文情報センター教授・副台長の渡部潤一さんが選んだ「天体の絶景」のページ。太陽系内から100億光年以上までの宇宙を観測する天体望遠鏡が捉えた画像を見ていると、宇宙に飛び出していきたいと心から思う。

「自宅で妄想しながら旅行を楽しむコンセプトで作った一冊。妄想トリップをぜひ満喫してほしいですね」(有泉さん)

 ストレス解消のお供にも。(ライター・羽根田真智)

AERA 2021年5月17日号