「地球の歩き方」東京版 国内旅行すらできない“最悪の船出”から大ヒットの意外な理由 (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「地球の歩き方」東京版 国内旅行すらできない“最悪の船出”から大ヒットの意外な理由

渡辺豪AERA
東京駅のすぐ近くにある大型書店「丸善」丸の内本店では、『地球の歩き方』東京版を大がかりに平積みするほど、人気を集めている(撮影/写真部・高野楓菜)

東京駅のすぐ近くにある大型書店「丸善」丸の内本店では、『地球の歩き方』東京版を大がかりに平積みするほど、人気を集めている(撮影/写真部・高野楓菜)

「東京版」の編集を担当した斉藤麻理さん。インバウンド向けのフリーマガジンを編集した際、「日本人にも面白い」と感じた銭湯や商店街の特集も盛り込んだ(写真:本人提供)

「東京版」の編集を担当した斉藤麻理さん。インバウンド向けのフリーマガジンを編集した際、「日本人にも面白い」と感じた銭湯や商店街の特集も盛り込んだ(写真:本人提供)

 昨年来のコロナ禍で旅行業界は大打撃を受けた。そんな逆風の中で、ガイドブック『地球の歩き方』東京版が首都圏在住者を中心に反響を呼んでいる。2021年2月22日号では、『地球の歩き方』担当編集者らに東京版大ヒットの理由を取材した。

【地球の歩き方「東京版」の編集を担当した斉藤麻理さんの写真はこちら】

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 海外を放浪した学生時代。旅先で出会う若い日本人は必ずといってよいほど黄色の表紙の分厚い本をバックパックにしのばせていた。ボロボロになるまで読み込んだかつての旅の相棒は、まだ何者でもなかった自分の分身のように愛おしい。何十年たった今も手放せず、大事に書棚に保管している。そんな『地球の歩き方』フリークたちの心をくすぐる新版がコロナ禍の今、注目を集めている。

 シリーズ初となる国内版「東京 2021~22」(512ページ、税込み2020円)だ。昨年9月の発刊以来、都内の大型書店のベストセラーランキングに連続して上位入りし、発行部数8万部を超えるヒットを続けている。

■読者の9割が首都圏

 担当編集者の斉藤麻理さん(35)は「読者は『地球の歩き方』の海外版のファン層が中心です。意外だったのは読者の6割が都内在住で、神奈川、千葉、埼玉を含む首都圏で9割を占めていることです」と話す。

「東京版」は、19年が『地球の歩き方』の創刊40周年に当たることから初企画にトライしようと考えたのがきっかけ。20年の東京五輪・パラリンピックを控え、東京への関心が盛り上がることを見越して宮田崇編集長が19年春に発案した。

 このため当初想定していた読者層は、東京に観光などで訪れる全国の人たち。つまり、東京以外の地方在住の読者を見込んでいた。

 そこに立ちはだかったのが新型コロナの感染拡大だ。斉藤さんは「コロナは完全に想定外だった」と打ち明ける。

 もともと五輪開催直前の20年6月の刊行を予定し、19年中に取材をほぼ終えていた。しかし、編集作業の大詰めを迎えた20年春は緊急事態宣言と重なり、取材先と連絡が取れなくなって原稿確認作業が滞ったり、五輪特集や飲み屋街のコーナーを断念したりする事態に。発刊は3カ月遅れの9月にずれ込んだ。


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