コロナ禍で海外インターンの中止が相次ぐなか、ここでもオンライン化が始まっている。 自分がどこにいてもグローバルに働くスキルが求められている。AERA 2020年11月23日号から。
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「今年度は、ベトナム、マレーシア、アメリカなどのインターンプログラムを用意し、約15人が参加予定でした。全部中止になり、どうフォローしたらいいか。頭を抱えました」
追手門学院大学キャリア開発センターの大串恵太さん(40)はそう語る。大学にとって、グローバル教育はいまや重点課題のひとつだ。大串さんは言う。
「海外インターンの目的は、アウェーの環境でも頑張れば成果が出せ、やっていけるという感覚を得ること。代替できる方法を考え、海外ビジネスをオンラインで実体験するプログラムを8月に取り入れました」
プログラムは講義がセットで、実在するスペイン語のマンガアプリをスペイン語圏の国にプロモートする。追手門学院大からは1年生の小北奈々佳さん(19)と2年生の荻原風花さん(19)が参加。他大学の学生も加わり6人でチームを組んだ。
「オンラインなので楽かと思ったら、期間中の4週間は講義の時間以外もずっと仕事のことを考えているか、作業しているかでした」(小北さん)
プログラムの最終ゴールは、マンガアプリへのアクセスを2千PV以上増やすことだ。最初に21カ国あるスペイン語圏の国のうちターゲット国を1カ国に絞り込む。次に外国人コミュニティーにアプローチし、リサーチをもとに広告プランを立案。獲得した予算を使い、実際に広告を打ち目標PVを目指す。
小北さんと荻原さんが参加したチームは、スペイン語圏で最も人口の多いメキシコを選択した。外国語を学びたい人たちが集うコミュニティーを活用してリサーチし、マンガコンテストをからめた広告キャンペーンを展開したところ、目標の1.5倍に当たる3千以上のPV増を達成した。
小北さんはスペイン語の広告制作を担当した。