ただ、議論の内容は見解や提言として公表しています。その中に凝縮されているのですが、そこのどの部分が知りたいから「議事録を出せ」と言っているのかがわからないことが多いです。政府批判のためにしている議論のようにも見え、我々をそこで利用してほしくないという気持ちはあります。知りたいことがあれば、いくらでもお話しします。

――日本で爆発的な感染が起きなかったとされています。原因についてどうお考えですか。

 重症化しやすい遺伝子がある程度分かってきています。血液型に関連した因子や、サイトカインの遺伝子群に関連する因子などです。ただ、それらが日本と、感染が広がった欧米などとの差に影響するかというと、それはあり得ないと考えています。最初にどれくらい警戒して早く対策を打ってきたか、といったところが関係しているのだと思います。

――今後のコロナ対策についてはどのようにお考えでしょうか。

 今の状況ではハイリスクなところに集中すべきです。東京では感染者が増えていますが、それが市中感染になるかどうかが非常に重要です。日本では法律で強制的な制限をかけることができないので、引き続き市民のみなさんの協力が必要です。(編集部・小田健司)

※AERA 2020年7月13日号に加筆