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「コロナかも」の駆け込み寺にも 急増するオンライン診療が果たす役割とは

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井上有紀子AERA#新型コロナウイルス#病院
オンラインで患者を診療する様子。東京都千代田区の九段下駅前ココクリニックで (c)朝日新聞社

オンラインで患者を診療する様子。東京都千代田区の九段下駅前ココクリニックで (c)朝日新聞社

オンライン診療なら、通院せずにスマホなどで医師の診療を受けることができる(写真:メドレー提供)

オンライン診療なら、通院せずにスマホなどで医師の診療を受けることができる(写真:メドレー提供)

 新型コロナウイルス感染を疑う人の駆け込み寺として、慢性疾患のある人の窓口として、オンライン診療が急増している。AERA 2020年6月1日号から。

【写真】スマホでオンライン診療を受けている様子はこちら

*  *  *
 4月中旬、帰宅した東京都在住の40代の会社員女性は、だるさと熱っぽさを感じた。乾いたせき、息を吸うと胸に小さな痛みもある。体温は37.5度。

「まさか新型コロナウイルス?」

 いつもなら解熱剤を飲んで1日休む程度の症状でも、不安が募る。スマホアプリでかかりつけのクリニックのオンライン診療を受けることにした。

 画面越しのビデオ通話で医師の問診を受けた。医師から、「風邪か新型コロナかの判断は検査でなければできない。熱も下がっているので、今できるのは風邪薬を出すことだけ」と言われた。それでも「話を聞いてくれて、薬を出してくれて、本当にほっとした」。夫が取りに行った薬を飲むと、平熱に戻った。

 1週間後、再び発熱し、保健所への相談を試みた。朝から電話するがつながらず、自動リダイヤルは合計500回になった。都の窓口にもLINEで相談したが、「保健所に相談してみましょう」。職場に尋ねたが、解決にはつながらない。泣けてきた。オンライン診療を再び予約した。

「『一度熱が下がっているので検査は不要、すべての症状がなくなるまで仕事は休みましょう』と言ってもらえた。自分でも新型コロナにしては軽すぎると思っていた」(女性)

 数日後、症状は落ち着いた。

 ビデオ通話や電話で診療するオンライン診療が急増している。冒頭のように、感染を疑う患者の駆け込み寺になっているのだ。

 オンライン診療で公的保険が適用されるのは原則として、これまでは生活習慣病など一部の疾患だけ、対面で初診を受けた再診患者のみが対象という厳しい制限があった。だが、新型コロナの感染拡大に伴い、通院による感染リスクを考慮し、4月10日から初診にもオンラインや電話診療が可能になった。新型コロナが収束するまでの期間限定だが、医師が診察可能と判断すれば、すべての疾患が対象となる。厚生労働省が公表したオンラインや電話で診療可能な医療機関は5月14日時点で約1万4500カ所に上る。LINEや他のベンチャー企業の新規参入も続く。体温や血中酸素飽和度などを遠隔でモニタリングできるサービスを提供するニプロ(大阪市)には、導入の問い合わせが相次いでいる。


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