クラウドサービス「エバーノート」の元CEO、フィル・リービンさん自身は、3年前に起業支援の新会社を立ち上げた時から医療と人工知能やデータ分析など最新IT技術とのシナジーに目をつけていた。だが、コロナは世間でも現在の医療システムがどんなに足りないか気づかされるきっかけになったのではないかと言い、こう続ける。

「医療分野は、破壊的といえる変革の時期に来ている」

金融アナリストとして長年シリコンバレーを見てきた米ベンチャーキャピタル「ループ・ベンチャーズ」のジーン・マンスターさんも、こう主張する。

「いままさに重要といえる分野で、飛躍的なイノベーションのある新たな企業が出てくれば、FAANG銘柄も入れ替わる可能性がある」

 そのうえでマンスターさんは、「あえて言えばFAANGで最も有力なのはアップルとアマゾンだ」と語る。アップルはさまざまな端末を通じて幅広いサービスや事業を支配的に進めていて、アマゾンはネット通販と実店舗とのシナジーをもっと開拓できそうだ、というのが理由だ。マンスターさんはさらに、こう続ける。

「長期的には、フェイスブックやネットフリックスは省かれるだろう」

(ジャーナリスト・ケイン岩谷ゆかり=シカゴ)

AERA 2020年5月25日号