「お二人とも基礎代謝が低いです。基準値22.3のところ上栗さんは19.2、中島さんに至っては18.4しかありません。基礎代謝の基準値18~19というのは、身長160センチでBMI20程度の人が1日約900キロカロリー以上を摂取するだけで、どんどん太っていく水準です」

 糖質制限ダイエットの台頭でカロリー計算のことなど忘れていたが、1日900キロカロリーという参考数値が出てくると、「空気吸ってるだけで太るわけだわ」と変に納得している2人。いや、そこ、納得している場合じゃなくて。

「まずは痩せやすい体を作るほうが先では? 代謝を上げて、少々食べすぎても太らない体質に改善したほうがよいと思いますよ。付け焼き刃で流行のダイエットを試しても、すぐにリバウンドしそうですし、さらに痩せにくい体になりがちですから。悪循環ですよ」(同)

 まさに、あれこれ痩せ情報に飛びついては一時的に数キロ痩せ、気を抜くと元に戻る──いや、減量前より少し体重増──を繰り返してきた結果が目の前の強烈な体重と体脂肪率なわけで、再び深くうなずく。

 そう、視点を変えるのだ。増えた体重や脂肪を単に消すのではなく、もともと太りにくい体を作りながら、痩せる。代謝を上げれば、太りにくくなる。よし、今年はそれでいこう! 痩せた後は二度と太っちょに戻らない体質に変身するのだ!(ライター・向井翔太、ジャーナリスト・安住拓哉)

AERA 2020年1月13日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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