セクハラ被害などを訴える「#MeToo」に続き「#KuToo」、そしてメガネ禁止問題。いまだに社会に残る古い価値観に女性たちがNOを発している (c)朝日新聞社
セクハラ被害などを訴える「#MeToo」に続き「#KuToo」、そしてメガネ禁止問題。いまだに社会に残る古い価値観に女性たちがNOを発している (c)朝日新聞社
「職場のルール」ここがおかしい!(AERA 2019年11月25日号より)
「職場のルール」ここがおかしい!(AERA 2019年11月25日号より)

 女性がメガネ姿だとみっともない? いまだにそんな価値観があるのだろうか。日本の職場のおかしなルールは海外からも批判の的になった。だが、変なルールはほかにもある。AERA 2019年11月25日号に掲載された記事を紹介する。

【緊急アンケート】ここがおかしい!職場の“謎ルール”

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 女性従業員だけに「メガネ禁止」というルールを適用する職場があることがネット上で議論となった。客室乗務員などが安全面を考慮されて禁止というのはわかるが、女性が着用すると「冷たい感じがする」などと、見た目を理由に根拠なく禁止されている職場があるというのだ。

 ツイッターには「メガネ禁止」のハッシュタグも出現。多くの人から「ありえない!」というコメントが上げられた。この問題については、海外メディアのBBCニュースやブルームバーグなども取り上げ、「ナンセンス」と切り捨てた。

 少し前には、女性に職場でハイヒール着用を強制することが問題になり、「#KuToo」の運動が巻き起こった。ただ、「ハイヒール強制」や「メガネ禁止」のような時代錯誤なルールは、これだけではない。AERAが緊急アンケートをすると、なぜこの決まりがあるのかわからないという“謎ルール”の存在が明らかになった。

 メーカーで事務職として働く横浜市の女性(56)は、

「『お茶出しは女性のみ』は、当たり前なのでしょうか」

 と、疑問の声を上げる。他の部署の男性が「いま女性がだれもいないから」と、わざわざお茶出しを頼みに来たこともあったという。

 彼女の職場は、昼休みの外線電話番も女性のみと決められているという。内線電話がかかってきても、「出るのは女性」と言って、在席していても取らない男性さえいるという。

「そういう男性は年配だけではなくて、30代、40代もそうです。社会人になる前、家庭でも何もせず、お母さんがやってくれていた、という男性がまだまだ多いのでしょう」

「女性にだけ制服がある」と答えたのは金融業で働く女性(51)。メガバンクでは女性行員の制服廃止が広がっているものの、まだまだ女性だけが制服という会社もあるようだ。ほかにも、こうした服装の制約についてのコメントは多く見られた。横浜市在住のコンサルタントの女性(39)の職場では「ジーンズ禁止」というルールがある。

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