避難の中で“決死の歌”も…台風被害の高齢者施設 緊迫の4時間 (3/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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避難の中で“決死の歌”も…台風被害の高齢者施設 緊迫の4時間

井上有紀子AERA#台風・水害
浸水し孤立した「川越キングス・ガーデン」から消防のボートで救出される高齢者=13日午後1時4分、埼玉県川越市 (c)朝日新聞社

浸水し孤立した「川越キングス・ガーデン」から消防のボートで救出される高齢者=13日午後1時4分、埼玉県川越市 (c)朝日新聞社

床上浸水した施設から運び出された濡れた荷物。車椅子や棚といった入所者の日用品や、職員のパソコンが泥にまみれていた=16日午後3時17分、埼玉県川越市(撮影/井上有紀子)

床上浸水した施設から運び出された濡れた荷物。車椅子や棚といった入所者の日用品や、職員のパソコンが泥にまみれていた=16日午後3時17分、埼玉県川越市(撮影/井上有紀子)

 同志社大学の立木茂雄教授(福祉防災学)はこう話す。

「施設は事前に人手を増やすなどの手を打ち、入所者に真摯な対応をした。全員の命が救われたことを高く評価する」

 一方、一般的に高齢者を避難させる際には、早め早めの判断が必要だと指摘する。今回のケースで、施設のある地区に「避難準備・高齢者等避難開始」が発表されたのは、浸水の前日である12日午前8時半。

「この時点で避難行動をすれば、危険な目に遭わなかった可能性もある」

 立木教授は、早いうちに安全な場所に避難するために、別の特別養護老人ホームを営む社会福祉法人などと災害協定を結ぶことを提案している。

「一法人で避難を完結させる必要はない。複数の施設で協力すれば早めの避難で入所者の命を守れる」

(ライター・井上有紀子)

AERA 2019年10月28日号


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