台風直撃でも保育園が開く日本 小雨でもすぐに閉まるアメリカ (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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台風直撃でも保育園が開く日本 小雨でもすぐに閉まるアメリカ

連載「ここがヘンだよ日本の育児!」

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大井美紗子AERA#AERAオンライン限定#子育て
プリスクールのしおり。持ちこんでいいもの・悪いもの、授業料がカバーする範囲、病欠の基準などが細かくルール化されており、悪天候の際の対応も明文化されています(写真/本人提供)

プリスクールのしおり。持ちこんでいいもの・悪いもの、授業料がカバーする範囲、病欠の基準などが細かくルール化されており、悪天候の際の対応も明文化されています(写真/本人提供)

 でも、悪天候のせいで子どもや先生たちが事故にでもあったら大ごとです。人命優先という倫理観はもちろん、親に訴訟されたらかなわん、という実利的な理由も園にはあるでしょう。アメリカの園・学校の先生というのはたいへん低賃金な職業です。「こんなに少ない見返りで子どもの命まで責任もっていられるかい」というのが本音だと思います。親としては「ごもっとも」とうなずき、粛々と迎えにいくしかありません。

 日本でも、賃金が安くて保育士さんたちが集まらない、ということが社会問題になっています。それなのに、大型台風のなかで尊い子どもの命を預かり、自らの命も危険にさらさなければならない。そんな重責にはそれなりの見返りを、という方向に変えるのも大切ですが、今のところは「こんなに少ない見返りで子どもの命まで責任もっていられるかい」と、きっぱり園を閉めてしまうのが早いんじゃないかと思います。

 保育園が閉まっていたら、親も仕事を休むしかありません。小学校が休めるのだとしたら、それに準じてもよさそうです。現状では、「保育園が開いているから預けて出社しなければならない」という声もあります。

 わたし自身、日本で働いていたときは、天気が悪くても「とりあえず出社しよう」と考えるタイプでした。2011年の東日本大震災があったときも、「なにがどうなっているかわからないから、とりあえず会社に向かおう」と渋谷のバス停で長蛇の列に並んだ口です。そんな日本(というか東京か?)で暮らしていたので、いきなりアメリカ風の「とりあえず休もう」思考にシフトするのが難しいことは重々承知しているんですが、太平洋の向こう側には「雨風がひどくなる前にすぐ休む」という文化があることを知ると、少し休みやすくなったりはしませんでしょうか。


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大井美紗子

大井美紗子(おおい・みさこ)/アメリカ在住ライター。海外書き人クラブ会員。1986年長野県生まれ。大阪大学文学部卒業後、出版社で育児書の編集者を務める。渡米を機に独立し、日経DUALやサライ.jp、ジュニアエラなどでアメリカの生活文化に関する記事を執筆している。2016年に第1子を日本で、19年に第2子をアメリカで出産。ツイッター:@misakohi

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