AKB48「恋チュン」の名アレンジを加えた武藤星児が放つ「℃-want you!」の破壊力 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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AKB48「恋チュン」の名アレンジを加えた武藤星児が放つ「℃-want you!」の破壊力

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岡村詩野AERA#AERAオンライン限定
℃-want you!(雷音レコード提供)

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 主に21世紀に入ってから、音楽アレンジャーという仕事に新たな注目が集まるきっかけを作ったキーマンの一人は、武藤星児ではないだろうか。編曲家・作曲家・プロデューサーとして大活躍する、1970年生まれの49歳。

 本人の公式サイトによると、最も古い仕事は96年なので、キャリアは20年以上というベテランだ。90年代終盤からSMAPや木村カエラ、多数のテレビ・アニメの楽曲を手がけ、2000年代前半には既に広くポップ・フィールドで手腕を発揮するようになっていた。

 そんな武藤の存在がさらにフォーカスされたのは、00年代終盤以降、AKB48グループの作品に関わるようになってからだろう。彼が最初にアレンジを手がけたAKB48グループの曲は、AKB48 チームA 5th Stage Songsの「恋愛禁止条例」と「ナミダの深呼吸」。

 以降、SKE48、SDN48なども含めた界隈の楽曲を次々とアレンジするようになり、13年に発売された大ヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」のアレンジは、耳の肥えた音楽ファンや洋楽リスナーからも大いに注目されるに至った。「華やかなストリングスやホーンを生かしたあの70年代ニューソウル調の編曲をやったのはいったい誰?」。そんな声が周囲からよく聞こえてきたものだ。

 曲のよさを生かすも殺すもアレンジ次第とよく言われるが、武藤の仕事の素晴らしさは50年代~60年代のポップス黎明期の音作りをよく研究した上で、現代の音作りと見事にシンクロさせている点だろう。

 例えば、「恋するフォーチュンクッキー」のアレンジの根幹は確かに70年代風のニューソウルだが、現代のヒップホップやR&B作品の多くでオートチューンを用いてボーカルを加工することが当たり前になっているように、ここでも人工的にゆがませた“ロボ声”をとりいれている。まるで「編曲の役割は音楽の歴史を今とつなげること」とでも言わんばかりの鮮やかな仕事だ。


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