行事が多いのも特徴で、特に中1は入学後すぐのオリエンテーション合宿、サマースクールと宿泊行事が続く。学園祭や体育祭は、生徒が一丸となって盛り上がるという。中期の核となるのが、4年(高1)の夏休みに行われる約10日間のカナダ英語研修だ。歴史は古く、30年以上前から「広い視野を持ってほしい」と、当時としては珍しい全員参加で始めた。

 受験期になると、行事で培ってきた集団の絆が生きる。早朝から登校して自習するトップ層に刺激されて、ほかの生徒も勉強を始め、集団で受験に立ち向かうムードが高まるという。

 森上代表は「男子は集団で伸びる」と話す。

「国立大を狙うなら、理数教育に定評のある男子校が有利。男子同士でノリがよくムードも作りやすい。文化祭や体育祭などの行事でチームワークを固め、一気に受験モードへ向かうのが男子校のパターンです」

 首都圏の女子校はどうか。森上代表によると、女子校での成長の原動力になるのが英語力だという。国立難関で4.7の伸びを見せた洗足学園、早慶上理で6.3伸ばした頌栄女子学院は帰国生を早くから受け入れ、現在は多くの生徒が在籍している。

「帰国生がいると授業が活発になり、主体性のある学びができるようになります」(森上代表)

 国立難関で4.1と伸ばした鴎友学園女子も、英語でディベートを行うなど英語教育に定評がある。早慶上理で5.9の東京女学館は国際学級を設置、英語劇などを通して英語力を鍛えている。英語をバネに実績を伸ばし、優秀な生徒が入ってくると理系化するパターンも多い。豊島岡女子学園はその代表格だ。

「女性教員が理系教科を教えていると、ロールモデルとして理系をめざす女子生徒が増える傾向があります」(同)

 表は四谷大塚の模試を元に作成しているため、受けた生徒が少ない学校は母集団の要件を満たせず、偏差値を出せないことがある。佼成学園女子もそのひとつ。表にはないが、進学実績を大きく伸ばしている。首都圏模試の偏差値で算出すると、GMARCHは100人当たりの合格者が34.4人で、12.6と大きな伸びを見せている。

 今年卒業した土屋穂香さん(18)は、秋からロンドン大学SOAS(School of Oriental and African Studies)校へ進学する。

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