2年前には仕事の幅を広げるために東京へ。

「今、造園業といいながら、現場では造るより壊す仕事が多いんです。とくに個人の家から日本庭園が消えています」

 海外で日本庭園を造るほうが、ビジネス的には利益が見込める。だが、村雨さんは「日本庭園の文化を『日本で』守っていくことが重要」だと考え、日本国籍取得を選んだ。

「グローバリズムの世界では、固有の文化があることは、何よりの強みになります。今はモダンな日本庭園もある。日本庭園の価値と魅力を知ってもらうために、これからも修業を続けていきます」

(ライター・矢内裕子)

■書店員さんオススメの一冊

『仕事も毎日も整う! 働く女子の時間のルール』は、「時間上手」で気持ちにゆとりを作ることの大切さを説いた一冊だ。オリオン書房ルミネ立川店の田邊水玲さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 いま思い返すと学生時代は随分とぜいたくな時間の使い方をしていたものだが、社会に出てからは状況が一変した。年を重ね、仕事や生活の幅が広がったせいか、やりたいことも増えてきた。毎日楽しいが、ずっと駆け足をしている感覚がある。自分は、いつまでも時間に追われる生活から逃れられないダメな大人だ。

 ところが最近、駆け足の状態が体力的にしんどく感じることが増えてしまった。そこで一度初心に帰り、見直そうかと手に取ったのがこの一冊。本書に出てくる女性たちは皆キラキラしていて自分には眩しいくらいだが、紹介されている生活改善のコツは「朝活」「家事」「お金」「美容」など、具体的でシンプル。気になるところからすぐに取り入れられるのがいい。自分自身を上手に保つためにも、これからは少しゆとりを持つ努力をしようと思う。

AERA 2019年4月1日号