バイトより「長期インターン」選択が学生の常識? 変わる就活のいま

2019/03/19 16:00

「ここ1年で、『長期インターン』や『有償インターン』というキーワード検索が倍増しています」

 そう語るのは、長期インターンのマッチングサイト「InfrA(インフラ)」を運営するTraimmu(トレイム)の高橋慶治CEOだ。高橋さんによれば長期インターンの受け入れ企業の大半は中小・ベンチャー。学生は就活では有名企業を選びがちだが、インターンに関しては「仕事内容重視」だという。

 月間100人以上のインターンの応募が殺到するというベンチャー企業を訪ねた。一流ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partners(ロコ パートナーズ)だ。出迎えてくれたのは、法政大学経済学部2年生の田村咲帆さん(たむらさきほ)(20)。1年生の終盤から他社で有償インターンを経験し、同社は2社目。「大きな裁量を与えられ成長できる」という評判を聞いて応募した。

 同社のインターンの条件は週3日以上、最短でも6カ月と、かなり厳しい。さらに「インターンを通じて何を成し遂げたいか」を問うエントリーシート(ES)や面接、課題への取り組みなど選考は就活さながらだ。田村さんは、約15倍の難関を突破した。

 現在は月に数百万円単位の予算を渡され、同社の重要なマーケティングチャンネルであるフェイスブックなどSNS運用全般に携わる。

「最近は大手旅行サイトとの連携プロジェクトの責任者にも任命されました。外部との打ち合わせに一人で行くこともあります」(田村さん)

 働き始めて半年で社内のマーケティング・エンジニア部門のMVPを受賞した。正社員を含むメンバー全員が対象だから、そこで評価されたことは大きな自信になった。

「アルバイトと同じくらいの時給で同じ時間を使うなら、アルバイトよりも格段に学びが多い長期インターンを選ぶ。それは周囲の学生の間でも、もう常識になっています」(田村さん)

 同社の組織デザイン部でインターン採用の責任者を務める岡田友宏さんも言う。

「しっかりフィードバックをしてあげることで学生はすごく成長します。彼らは吸収力、アウトプット力において社員と全く遜色ない。完全な戦力です」

 採用コンサルタントの谷出正直さんによれば、長期インターンは実施企業にとってもメリットが大きい。

「大手が有利になりがちな通常の新卒採用では接触できないような優秀な学生に1、2年生という早い段階から関わることができる。採用に結びつけばなお良いし、もし彼らが大企業に就職してしまったとしても、お互いの印象がよければ、転職先の有力候補にもなる」(谷出さん)

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