病院でインフルエンザの治療を待つ患者たち。特に基礎疾患がある人や高齢者は重症化しやすいので注意が必要だ (c)朝日新聞社
病院でインフルエンザの治療を待つ患者たち。特に基礎疾患がある人や高齢者は重症化しやすいので注意が必要だ (c)朝日新聞社
インフルエンザの治療薬(AERA 2019年2月18日号より)
インフルエンザの治療薬(AERA 2019年2月18日号より)
かかったら…(AERA 2019年2月18日号より)
かかったら…(AERA 2019年2月18日号より)

 インフルエンザの全国の推定患者数は222万人。猛威を振るっているが実際に自分もかかってしまったら、どうすればいいのか。

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 インフルエンザの典型的な症状は、悪寒、急激な高熱、筋肉痛、関節痛、頭痛、咳、鼻水、下痢など。これが広く周知されている今、「もしかして」と思ったらすぐに病院を受診する人が増えている。

 ところがタイミングによっては、実際はインフルエンザにかかっていても、検査で陰性となるケースがある。米山医院(東京都)院長の米山公啓さんは、患者の周囲の状況や症状からインフルエンザが疑われる場合、検査結果が陰性でも、薬を出すようにしているという。

「インフルエンザの薬は、発症から48時間を過ぎると効かなくなります。『翌日再検査を』とすると、手遅れになりかねず、感染拡大を招くリスクがあるからです」(米山さん)

 現在、国内で使用されているインフルエンザの薬を左の表に示した。今シーズン、従来の薬とは違うメカニズムと利便性から新薬「ゾフルーザ」が注目されたが、効き目が低くなる耐性ウイルスが見つかった。

 もともと臨床試験の段階から、ゾフルーザは服用後に耐性ウイルスが検出される率が高いことが分かっていた。タミフルなどは1~2%であるのに対し、ゾフルーザは12歳以上で9.7%、12歳未満で23.4%だ。耐性ウイルスが見つかると、薬が効かなくなるのだろうか。

「効きづらくはなります。また、成人では10時間ほど症状の持続時間が長くなると言われています。ただし、弱毒性なので人にはうつさないと考えていいでしょう」(大谷さん)

 薬の選択のポイントは、自分にとっての使いやすさ。大谷さんは診察の際にはこう聞く。

「5日間飲むか1日だけ飲むか。経口か吸入か、どちらがいいですか」

 ウイルス排出期間、つまり人へうつす可能性のある期間はゾフルーザが短いけれど、約10人に1人の割合で耐性ウイルスができる可能性がある。どちらを重視するかということも、薬選びのポイントだという。

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