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相続の制度改正で“最低限の取り分”が平等に? 専門家が解説

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田茂井治AERA

図版=AERA 2018年12月31日-1月7日合併号より

図版=AERA 2018年12月31日-1月7日合併号より

 2019年1月から、遺産相続に関する大幅な制度改正が行われる。具体的にどんな影響があるのだろうか。今回は改正ポイントのひとつ「遺留分制度の見直し」について、専門家に聞いた。

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 相続アドバイザーらから注目を集めたポイントもある。「遺留分制度の見直し」だ。

「これまでは被相続人が特定の相続人に対して多くの遺産を譲るという遺言を残して遺産の分割に不公平が生じた場合、法定相続人が自己の最低限の取り分(遺留分)を確保できるよう“減殺請求”を行うケースが多くありました。すると、対象財産は他の相続人との共有財産となるため、共有関係の解消を巡って新たな争いが生じやすくなっていたんです」(税理士法人レガシィ統括パートナー税理士の田川嘉朗さん)

 図を見てほしい。例えば、自宅で長男と商売を営んでいた父が死去。8千万円の自宅と預貯金2千万円について被相続人である父が、妻に8千万円(自宅)、長男に1500万円、次男に500万円の財産を相続させることを記した遺言を残していたとしよう。

 法律で定められた遺留分は配偶者である妻が4分の1、子も4分の1となるため、妻が2500万円で長男と次男は1250万円ずつ(4分の1÷2)になる。次男だけが遺留分に対して750万円も少なく不満が生じるのも当然だろう。改正前は次男が750万円の遺留分の減殺請求を起こすと、8千万円の自宅は自動的に「相続人の共有財産」となった。共有となれば、金銭で解決しようにも次男に反対されれば、売却しにくくなる。

「その結果、相続財産の処分が遅れて生活の基盤が不安定になったり、被相続人が会社経営者だった場合には円滑な事業の承継が困難になることもありました」(同)

 次男が不動産での弁償を求めた場合、登記の変更などを要請する新たな訴訟が起こされる面倒なケースもあったという。

 しかし今回の改正で、共有財産としての扱いを解消するために、遺留分の侵害額は“金銭債権化”された。


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