どのタイプだとしても、何にいくら使ったのかが分かりにくくなるキャッシュレス化を進めるにあたっては、おカネの流れを「見える化」できる家計簿アプリは、家計改善にも有効だ。とはいえ、

「ただ漫然と家計簿アプリを利用しているだけでは、家計の改善にはつながらない」

 と、FPの國松さんは指摘する。最近は、

「家計簿アプリを使っているが、浪費が止められない」

 といった相談も増えているという。國松さんが理由を聞いてみると、家計簿アプリで管理することに満足してしまって、家計の見直しや改善に向けた動きをほとんどしていない人が多かった。

「人間ドックで『要再検査』と出たのに、検査を受けないのと同じこと。問題を放置していると根本的な解決につながらない」(國松さん)

 家計簿アプリを使いこなすためにも、自分が達成したい目的にピッタリ合ったものを探すことから始めたい。(ライター・及川知晃)

AERA 2018年11月26日号