Zeebra、自身を「ジブラ」と名乗った理由は「語感」にグッと来たから?
連載「多彩な野菜」
ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
【ジブラが一言物申したい野菜の正体は…】
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ジブラと名乗ったのは22歳のころ。いろんなジャンルのヒップホップが好きで、自分の中でこれをやる、と定まらない時期でした。ギャングスタ・ラップ的なものがシーンの中心になって、自分もそうなっていったのはその後です。
最初にグッと来たのは語感です。濁音が多くて、ガリッとしている。そして、東洋思想の陰陽マークを思わせる黒と白の体ですね。世の中は陰と陽のバランスが大切。そんなことをすごく思っていたんです。
そんな僕がジャガイモに言いたいのは、バランスが大事だぞ、ということです。例えばカレー。あれはいろんな食材を一斉に味わうのが醍醐味の食べ物だと思うんです。ゴロゴロ大きなジャガイモには、ライブでみんながハモってるときに突然ソロで割り込んでくるような、「しかもお前、特別上手いわけでもないじゃん!」っていうような違和感を感じてあまり好きじゃない。カレーのジャガイモはちょっと我が強すぎる。ポテトサラダみたいに、いろんな野菜とハーモニーを奏でればすごくいい仕事をするのにね。
※AERA 2018年10月15日号
Zeebra(ジブラ)/東京を代表するヒップホップ・アクティビスト。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続ける行動力は他に類を見ない存在で、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ている。

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