羽生結弦「勝たなきゃ意味ない」 今季初戦で心にともった火 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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羽生結弦「勝たなきゃ意味ない」 今季初戦で心にともった火

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野口美恵AERA#羽生結弦

羽生結弦 (c)朝日新聞社

羽生結弦 (c)朝日新聞社

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 男子フィギュアスケートで五輪連覇を果たし、国民栄誉賞を受賞した羽生結弦。今季初戦では、転倒がありながら優勝した。今シーズン、彼はどんな姿を見せるのか。

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*  *  *
 カナダ・トロント郊外の住宅街オークビルのリンクに、黄色い声援がこだましたのは9月21日の午後3時。羽生結弦がオリンピック以来216日ぶりとなる公式戦「オータム・クラシック」の場に現れたのだ。

 6分間練習のウォーミングアップの後ジャージを脱ぐと、ファンからキャーと歓声が沸き起こった。美しい身体のラインを生かした淡いブルーの衣装、その胸元に釘付けになる。大胆なカッティングが入ったデザインで、実際には肌色の布が縫われているが、遠目には胸元をあらわにしているように見える。23歳の男の色気を漂わせていた。

 羽生にとってこのシーズンオフは、人生の第二章への転換期だった。五輪連覇という目標を達成し、昨年11月に痛めた右足の治療もあって、トロントでのハードな練習からは遠ざかった。春夏は日本でアイスショーをこなした。そんななかコーチのブライアン・オーサーと、今季以降について話し合ったという。

 オーサーはこう語る。

「結弦には、心を休めて自分やまわりを一歩下がって見つめ直す時間が必要でした。新たな目標は何か? 北京五輪を目指すとは宣言しませんでしたし、まだその必要はないでしょう。でも、結弦のようにエネルギッシュで勝ち気な男の子には、何か目標が必要です。今シーズンを通して自分と向き合い、スケート人生での最終的な目標を探していこう、と話しました」

 日本でのアイスショーを終えて7月にトロントに戻った羽生は、目標を模索するうち、自分自身への刺激として、「初心に帰るためのプログラム」と「ジャンプでの挑戦」を用意した。

 まずプログラムは、子どもの頃から憧れてきたエフゲニー・プルシェンコとジョニー・ウィアーの代表作を、自ら滑る。2人には曲を使用することを話し、羽生の演技に2人が注目する状況を仕立てた。

 またジャンプは、跳び方や組み合わせを変えることで、目新しいものを三つ取り入れた。「連続ターンからの4回転サルコウ」と「回転技(ツイズル)からのトリプルアクセル」、そしてまだ誰も成功したことのない連続ジャンプ「4回転+トリプルアクセル」だ。

 そして、自分自身への挑戦を胸に、初戦へと臨んだ。


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