今は、夫が亡くなった寂しさは薄らいだ。自分だけの時間を楽しんでいると笑顔を見せる。
「孤独は、自分のために生きる時間。一つひとつのことを自分で決める喜び、かけがえのないものです」
小説は書きつづけるが、これからが自分の真価が問われる「本番」だと話す。
「これからは、いやが応でも自分の孤独と向き合うことになります。例えば、老いです。そうした中で、おらはおらに従い、誰にも指図されず、自由にイキイキと人に迷惑をかけずに生きたい。政治に目覚めてもいいし、一筋の目標を見つけて、よく頑張った、お前の生き方は間違いじゃなかった、と自分で思えるよう、孤独に果敢に挑戦します」
(文中敬称略)(編集部・野村昌二)
※AERA 2018年9月3日号より抜粋