──みなさんの人となりが、雑談を通じてよく伝わってきます。

 ディーン・フジオカさんや小林直己さんは、今回初めてちゃんとお話ができて、あ、こんな人だったんだって。あの頃のディーンさんは、音楽活動でメディアにたくさん出る前の時期だったので、ここまで音楽に詳しいのかって驚きました。対談の後も、お互いに好きな音楽を聴かせ合いながら、しばらく話してましたよね。直己さんはあらためて読み返して、そういえば年下だったんだなって。音楽番組で会っても、相変わらず年上だと思って接してました。本当は直己くんです(笑)。

●質問しかしてないです

──「音楽の話」をテーマにしたのは、どういった理由からだったんですか?

 音楽を専門的に扱う雑誌ではないAERAで音楽の話をしたら、面白そうだなと思ったんです。それでみんなの「生涯の一枚」を聞こうと思って、CDを持ってきてもらうことにしたんですけど、「そんなの選べない」って言われることも多くて(笑)。結局、面白いのは音楽の話以上に、そこから話がそれていった雑談部分なんだなって思いました。

──確かに雑談の楽しさがぎゅっと詰まった内容になった気がします。でも雑談って、世の中にはうまくできないという人もたくさんいるんですよね。雑談の仕方を指南する本もたくさん出ていて。

 へえー、そうなんですね。

──いろんな人とうまく雑談するコツがあれば、この機会にぜひ教えてください。

 僕はトーク力がまったくないんですよ。トークが面白い人って、比喩がうまかったり、誰かの話に自分の面白い話をかぶせていったり、そういうことができる人のことだと思うんですけど、僕はそれができなくて。だから人と話す時はほとんど質問しかしてないですね。「それどう思いますか?」とか、「その時どうだったんですか?」とか。雑談って自分から何かを話そうとする必要はないのかなと思います。その人に興味を持って、自然と出てくる質問が大事なんだろうなって。

●普通の雰囲気が出て

──あと星野さんの前だと、ついいろんなことを話したくなっちゃう雰囲気もあるんですよね。

 ああ、そういうことは昔からあるかもしれないですね。「初めて話すんだけど……」って、みんな秘密を話してくれて(笑)。なぜなのか自分でもよくわからないですけど。

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