──書籍『星野源雑談集1』、細野晴臣さんとの『地平線の相談』に続き、3冊目の対談集になりますが、星野さんが考える雑談の魅力はどこにありますか? 今回の本の中では「無駄があるからこその面白さがある」とバカリズムさんも話していますけど。

 今、主演する映画「引っ越し大名」の撮影中なんですけど、やっぱり現場はかなり大変なんです、心的にも体的にも。でも弱っていたら駄目だと思って、ある日、飲み屋に行ってご飯を食べながら、そこのマスターと特に内容のない話をして、ゲラゲラ笑っていたら、一発で元気になったんですね。だから雑談ってすごく大事なんだなと思って。ためになる言葉を欲しがる人がどうしても多いかもしれないけど、そうじゃなくて、どうでもいいような話の中で相手が何となく思っていることを聞いたり、自分が感じていることを話したり、それで笑ったり、へえーと思ったりすることって、人間の営みにとってとても大切なことなんじゃないかって、今すごく感じています。

●人選はすべて自分で

──12人の豪華ゲストの方に登場していただきましたが、この中でいちばん古くからお付き合いのある方というと?

 イースタンユースの吉野寿さんかな? イースタンユースが主宰しているイベント「極東最前線」に、04年にSAKEROCKを呼んでもらったのが最初で。

──古田新太さんもわりと前からのお知り合いなんですよね?

 しっかり話したのは舞台「ウーマンリブ先生」(06年)が最初だったと思います。ドラマ「タイガー&ドラゴン」(05年)でもご一緒しましたけど、その時はほとんど話してないです。

──バナナマンの設楽統さんと生田斗真さんは、06年のドラマ「アキハバラ@DEEP」以来のお付き合いです。

 そうですね。古いですね。

──一方で今回の対談が初対面だったのは、神前暁さんと宮野真守さんのおふたりでした。ゲストの方の人選は、どうやって決めていましたか?

 精力的に活動を続けている人とか、刺激をもらえる人とか、そういう人とお話がしたいなと思って、人選はすべて自分で考えました。よく知らないけどこの人でいいかっていうような人選は一回もないです。

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