直木賞作家の中島京子さんが選ぶ 大人の小説への入り口となる3冊 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

直木賞作家の中島京子さんが選ぶ 大人の小説への入り口となる3冊

このエントリーをはてなブックマークに追加
矢内裕子AERA#読書

中島京子(なかじま・きょうこ)/1964年生まれ。出版社勤務を経て『FUTON』で小説家デビュー。『小さいおうち』で直木賞。『長いお別れ』で中央公論文芸賞(撮影/写真部・加藤夏子)

中島京子(なかじま・きょうこ)/1964年生まれ。出版社勤務を経て『FUTON』で小説家デビュー。『小さいおうち』で直木賞。『長いお別れ』で中央公論文芸賞(撮影/写真部・加藤夏子)

 絵本や児童文学を今でも読み返すという、直木賞作家の中島京子さん。お気に入りの絵本を紹介した『ココ・マッカリーナのしみこむしみこむえほん』や『ハブテトル ハブテトラン』という少年少女小説を出している。

【フォトギャラリー】中島京子さんほか、作家たちのお薦め絵本はこちら

「佐藤さとるさんの『だれも知らない小さな国』は、子ども時代に読むと、世界観が変わる作品だと思います。せいたかさん、と呼ばれる主人公は、子どもの頃にコロボックルを見ますが、戦争をはさんで、大人になってから、懐かしい場所に戻ってくる。主人公は子どもではないんですよ。コロボックルは自分たちの正体を明かす人間を選ぶと、長い時間をかけて、信頼するに足る人間かどうか確認します。というのも問題が起こった時、その人に頼んで、解決してもらうから。せいたかさんはコロボックルに選ばれたんです」

 コロボックルの暮らす世界はユートピアではない。自然環境の破壊や公害など、私たちが生きる社会の問題が襲いかかってくるのだ。

「子どもの頃に、このお話を読んだおかげで、今でも私は、コロボックルがいると信じています。まだ、姿を見せていないだけなんですよ」

 2冊目はマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』。ヘミングウェーをはじめ、アメリカの作家たちが、「アメリカ文学はここから生まれた」と絶賛してきた作品だ。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加