「ひざの痛みを軽減するために、リハビリで筋トレを勧められる患者さんも多いようですが、筋トレでは関節を守る筋肉を鍛えられず痛みも消えません」

 スクワットや腹筋などのいわゆる筋トレは、体の外側にある強い力を発揮するアウターマッスルを鍛えるためのものであり、「関トレ」とは目的そのものが違う。ボディービルダーがトレーニング中に腰を痛めてしまうことが多いのも、関節を支える筋力が弱いままだから。正しい関節の使い方ができなければ、いくらアウターマッスルを鍛えても、痛みやケガはなくならないという。

 裏を返せば、「関トレ」で関節の可動域が広がれば、その周囲の大きな筋肉もバランスよく使えるようになる。すると、不調の改善に加えて体のラインも整い、女性に嬉しい美容効果まで期待できるのだ。

「関トレは、やったその場で効果が実感できます。なぜなら、すぐに筋力が向上するから。関節にかかる負荷より、関節を守る力が上回れば、痛みを感じなくなるでしょう。また関節が安定すれば、骨盤のゆがみや、筋肉太りも解消されます」

(ライター・まつざきみわこ)

AERA 2018年5月21日号より抜粋