外国人コーチと「英語」で話す選手が強かった “脱オノマトペ”の効用 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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外国人コーチと「英語」で話す選手が強かった “脱オノマトペ”の効用

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illustration:土井ラブ平

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「英語圏のアスリートや指導者の思考は、日本人に比べて論理的。西欧人の指導者と日常的に英語でコミュニケーションする経験が、羽生選手や小平奈緒選手のスポーツ論理力を形成し、好成績を生んだ要因の一つになったと考えていいと思います」

 吉川教授の言う「スポーツ論理力」とは、「動きやプレーを客観的に言葉で記述し、因果関係を説明する力」「これまでの成功や失敗の経験を言葉で説明でき、その経験を新しい場面で有効に活用する力」「自分の考えや思いを論理的にわかりやすく他者に伝える力」のこと。

「羽生選手や小平選手は、インタビューの内容や話し方も論理的で明晰(めいせき)かつわかりやすい。主体性を持って話していることがわかります」(吉川教授)

 オーストラリアの州リーグでセミプロサッカー選手として活躍していた尾形修斗さん(28)も、母語ではない英語の環境でプレーした経験をこう振り返る。

「英語はストレートでシンプル。自分の英語力に限界があるからこそ、言葉が単語レベルでシンプルに頭に入ってきました。あれこれ考えず、それを行動に移せばいい」

 コーチの言葉を受けとるときだけでなく、自分の意見を発信する場合にも、一度英語にすることで考えが整理されるということはあるだろう。

 巻頭の記事で羽生選手の言葉を分析した電通のコピーライター、梅田悟司さんは言う。

「引退後、解説者になれる選手となれない選手がいるのは、言語化、つまり無意識の意識化ができるかどうかの違いです」

 無意識では話せない外国語を使う経験が、自分の行動を意識化するきっかけになるのは間違いない。オノマトペでは描ききれない世界へ、英語が案内人となって導いてくれたと言えるのではないか。(編集部・高橋有紀)

AERA 2018年3月26日号


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