ソフィア・コッポラ、ニコール・キッドマンと並ぶと私はオタク? 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ソフィア・コッポラ、ニコール・キッドマンと並ぶと私はオタク?

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 映画監督のソフィア・コッポラさんがAERAの表紙に登場。新作への思いなどを聞いた。

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新作「ビガイルド 欲望のめざめ」で監督賞を受賞したカンヌ国際映画祭の様子を話していたときのことだ。

「あとでレッドカーペットの動画を見ていて『あら、やだ、私って何てオタクっぽく見えるんだろう』って(笑)」

 才気あふれる映画監督として映画一族コッポラ家の出世頭で、この美貌で、フランス人ミュージシャンの夫と共にニューヨークとパリを行き来する上質な日々を送る。そんな恵まれすぎたソフィア・コッポラですら、正装のニコール・キッドマンと並ぶといたたまれない気持ちになるんだなあとちょっと安心した。

 ガーリーカルチャーの旗手として一世を風靡した長編デビュー作「ヴァージン・スーサイズ」以降、若者の揺らぐ自意識を繊細に描いてきた。でも「ビガイルド」の女性たちは決断し、行動する。

「映画が成熟した? そうかもしれない。私も40代。それなりに人生経験も積んだから大人の女性も描けるようになったんだと思う」

 ただしトレードマークの徹底した美意識は変わらない。この「美しいことは人生にとって大切なこと」という哲学は両親によって育まれたという。

「母もアーティストだからよく美術館に連れて行ってもらった。私も母と同じで現代アートが好き。父はもっと古典趣味ね。いまの映画界はどんどんビジネス偏重になっているけれど、私は思考を刺激し、美しい作品を撮り続けたいと思う」

 今作はジェンダーも大きなテーマだが、自分の表現を貫くために妥協しない彼女にとって、米映画界の「#MeToo」や男女賃金格差是正の動きは自分の問題だ。

「映画の制作費を調達する場は男性ばかりで、女性が関心のある主題を理解できない。銀行でもどこでも女性の比率が上がれば、世界は変わると思う」

 おっとりしたたたずまいの下にたぎるクリエイター魂。まぎれもなくコッポラ家の人だ。(ライター・鈴木あずき)

AERA 2018年2月26日号


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