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「腸内細菌『県民ショー』やりたい」と研究者 ご長寿地域と菌の関係も発見

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大平誠AERA#健康
東工大大岡山キャンパスで17日にあった「バクテロイゴ」の月例会。雨天にもかかわらず、近所の小学生約20人が参加し、腸内細菌バトルに興じた(撮影/写真部・大野洋介)

東工大大岡山キャンパスで17日にあった「バクテロイゴ」の月例会。雨天にもかかわらず、近所の小学生約20人が参加し、腸内細菌バトルに興じた(撮影/写真部・大野洋介)

(撮影/写真部・大野洋介)

(撮影/写真部・大野洋介)

3220人の腸内常在菌のパターンと生活特性(AERA 2017年1月29日より)、イラスト=(c)石川雅之/講談社

3220人の腸内常在菌のパターンと生活特性(AERA 2017年1月29日より)、イラスト=(c)石川雅之/講談社

「第2の脳」とも言われる腸。最近では、腸内環境が脳や全身にも影響を与えることが分かってきた。専門家らによる研究で、新たな事実も明らかになってきている。

免疫学の権威で順天堂大学医学部名誉教授の奥村康氏(75)は、免疫細胞の活動低下を食い止める目的で乳酸菌に着目。明治の「ヨーグルトR-1」の開発にも関わった。

【図】腸内常在菌のパターンはこちら

 奥村氏によると、免疫のリンパ球のうち、一番最前線で休まず働く「お巡りさん」的存在がナチュラルキラー(NK)細胞。ヒトの体は毎日1兆個細胞が増えるが、うち5千個ぐらいが不良品。この不良品を潰し、外から侵入するウイルスと戦う乳酸菌を明治が持つ菌の中で探した結果、最も効果が高いのが「1073R-1」だったという。

 NK細胞にはほかにも重要な働きがある。弱れば、風邪やインフルエンザになりやすく、見逃した不良品細胞がたまれば、がん細胞の塊になる危険性もある。また、加齢やメンタルの影響も受けやすい。前述したように、腸内にとって運動は重要だが、落とし穴もある。軽い運動はこのNK細胞の活動を上げるが、激しい運動は一旦上がったNKがリバウンドで下がることも。こんな例もある。

「動物実験で最も顕著なのは、子育て中の母親から子どもを取り上げた時の変化。不思議なのは、この母親の隣に元気な動物を置くと、母親同様にNKが下がる。うつるのです。逆にゲラゲラと声を出して笑うと、NKは非常に上がります」(奥村氏)

 腸は非常に繊細なのだ。

 一方、ビッグデータを用いた生命情報科学のアプローチで腸内細菌研究に成果を上げているのが、東京工業大学生命理工学院の山田拓司准教授(40)。京都大学化学研究所を経て、07年から5年間ドイツの欧州分子生物学研究所(EMBL)に在籍、遺伝子機能解析に取り組んだ。現在は東工大「日本人腸内環境の全容解明と産業応用プロジェクト」代表を務め、腸内細菌の役割を遊びながら学べる小中学生向けボードゲーム「バクテロイゴ」を考案して発売するなど、マルチな活躍をしている。

 EMBL時代には、腸内細菌にも血液型のようなタイプがあることを発見してその年の科学雑誌「サイエンス」の10大発見にも選ばれた。


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