「麹菌」は猛毒の“野生菌”だった!? 知られざる歴史とその実力 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「麹菌」は猛毒の“野生菌”だった!? 知られざる歴史とその実力

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市岡ひかりAERA#健康
生きている菌を相手にする味噌づくり。安定的に製造し続けるためには、職人の熟練の技が欠かせない(写真:マルコメ提供)

生きている菌を相手にする味噌づくり。安定的に製造し続けるためには、職人の熟練の技が欠かせない(写真:マルコメ提供)

 無毒化のウラには良質な麹を出そうと種麹屋が重ねた改良があった。その手法は麹菌にアルカリ性の灰をまぶして生き残った麹菌だけを選ぶというもの。灰にもこだわり、京都の種麹屋には「京都大原の椿の灰が良い」という口伝も残る。顕微鏡もない時代、見えぬ胞子を培養し続け、やがて毒を出さない麹菌が誕生したというわけだ。北本教授は言う。

「世界最古のバイオビジネスの結果です。麹菌も家畜化されて外敵から身を守る必要がなくなり、無毒なオリゼーに変化したのではないか」

 また、最近はその健康効果にも注目が集まっている。
 12年ごろには「おいしくて健康にも良い」と塩麹が、15年には麹を使った甘酒が「飲む点滴」とも呼ばれてブームに。ただ麹菌の健康効果は、乳酸菌と比べて研究が進まなかったのが実態だ。確かに健康番組常連のヨーグルトに比べ、耳にする機会が少ないような……。

「麹菌は日本ならではの菌なので、海外の先行研究も少なく、研究予算が下りにくい。研究者も乳酸菌と比べると少ないです。もっと企業主体で研究が進んでくれればいいんですが……」  と北本教授。そこで、1854年から実に160年以上、麹を使った味噌をつくり続けるマルコメ(長野市)に聞いてみた。

「おっしゃるとおり、乳酸菌と比べると麹菌の研究は進んでいないのが現状です」(広報の尾田春菜さん)


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