「働き方改革」で、長時間労働が当たり前だったメガバンクでも労働時間はかなり減った。ノルマ偏重を改め、生産性を重視する動きも(撮影/写真部・東川哲也)
「働き方改革」で、長時間労働が当たり前だったメガバンクでも労働時間はかなり減った。ノルマ偏重を改め、生産性を重視する動きも(撮影/写真部・東川哲也)

 日銀のマイナス金利政策がきっかけで本業の「融資」では稼げなくなった、このご時世。当の行員たちはどのように思っているのか。アラサー行員4人を集めて座談会を開いてみた。

●座談会参加者
Aさん(29歳・男性)=メガバンク勤務。国立大卒、総合職、個人向け業務と法人営業を経て、現在本部に勤務/Bさん(32歳・男性)=メガバンク勤務、私立大卒、総合職。都内3店舗で一貫して個人向け業務を担当/Cさん(26歳・男性)=地銀勤務。国立大卒、総合職、現在2店舗目。個人向けローンや地元の中小企業向け融資などを担当/Dさん(27歳・女性)=地銀勤務。国立大卒、一般職、現在2店舗目。主に個人の資産運用を担当。最近、お客さんに紹介された男性と結婚した。

*  *  *

──銀行に就職した理由から教えてください。

A:いろいろな業界を幅広く見ることができると思ったのが一つ。研修などもしっかりしていて、人をきちんと育ててくれるという期待もありました。財務分析から営業、マーケットまで幅広く学べれば、将来転職する時にも有利かなと。

B:公認会計士を目指していたのですが、在学中に試験に合格できなかったのでとりあえず就職しようと。就職後に再チャレンジするつもりでしたが、勉強の時間は全く取れず(笑)。今は銀行員としてできるだけ出世したいと思っています。

C:経済学部だったので自然と金融に目が向きました。メガバンクは全国転勤があるので受けませんでした。2、3年おきにどこに飛ばされるかわからないなんて僕は絶対イヤだったので。地銀の給与は地元ではトップレベルだし残業も少ない。自分にとっては正解でした。

D:私は実家から通えるというのが一番の条件でした。市役所も考えましたが、銀行であれば世間体もかなりいいし、親も安心させられるので。

──ノルマは厳しいのですか?

B:半年ごとに貸し出しで6億円、金融商品や不動産の売買などで3千万円とか。目標に対してどのくらい達成しているかが職場に常に貼り出されているので、結構プレッシャーです。一番つらいのは、上司に「これでも仕事してるつもりか。お前はもう帰れ!」と怒られる時。3月末までフル回転して達成しても、4月1日になったらまた次のノルマがやってくるので、ずっと気が休まりません。

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