A:銀行内での評価は数字が全てですからね。上司の性格にもよりますが、うちでも個室に呼び出されて、「なんでできないんだ」とギリギリ詰められます。「今月、目標まであと1億円足りないけどどうするつもりだ?」と迫られ、答えられないと「3日後に出直してこい」と。プレッシャーがなければ人間ラクしちゃうので、ある程度は仕方ないと思いますが、慣れるまでは大変でした。そういうカルチャーになじめずに辞めていく人は多いです。特に女性総合職の離職率は高い。結婚や転職など理由はさまざまですが、僕の同期では半分以上辞めてます。

──最近はすぐパワハラだと言われるので、上司も昔ほど怒鳴ったり、机をたたいたりしなくなったとも聞きますが。

B:支店や人によります。そういうのが全くない店もあれば、僕が最初に配属された店のように、いまでも稟議書(りんぎしょ)のファイルが飛んでくるのが当たり前という店もあります。そういう店でも耐えられると判断されると、その後もずっと厳しい店に行かされますね。

C:その点、地銀のノルマはかなりゆるい。達成できなくても「まあしょうがないな。次で頑張れ」という、のんびりした空気です。うちの銀行は一応県内でのシェアはナンバーワンなので、あまり競争意識がない。

D:私もノルマがきついことはないですね。それより大変なのは、支店内の人間関係。特に女性同士が大変で、パワハラで何人も辞めさせているお局みたいな人もいます。前にいた支店では、女性行員の中に明確な派閥があって、最初は一体自分はどのグループに属せばいいか悩みました。3、4年で転勤になるので、つらい状況がずっと続くわけではないですが、どこの店に行くかは運次第です。

──やりがいを感じるのは?

C:お客さんに感謝された時です。資金を必要としている経営者の要望に応えられたり、個人の住宅ローンの相談に乗りながら月々の家計についてもアドバイスができたりした時とか。

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