ブロガー、作家。大学在学中にカリスマブロガーとして有名に。電通、トレンダーズを経てフリーランス。新刊『通りすがりのあなた』発売中(写真:はあちゅうさん提供)
ブロガー、作家。大学在学中にカリスマブロガーとして有名に。電通、トレンダーズを経てフリーランス。新刊『通りすがりのあなた』発売中(写真:はあちゅうさん提供)

 SNS、ネット全盛の現代社会。リアルで会わなくてもつながれるのはよろしいが、騒ぎまくり、盛りまくりのご時世だ。そんな「会わない時代」におけるネット利用、どんなことに気をつけるべきなのか。人気ブロガーのはあちゅうさんにSNSとの上手な付き合い方について聞いてみた。

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 幼稚園の頃、医師から「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」ではないかと言われたことがあります。家ではよくお喋りして陽気なんですけど、外に出ると喋れなくて表情もなくなったりしてたんです。学生時代、私は笑って楽しく話しているのに友人に「怒ってる?」と聞かれてショックを受けたこともありました。人見知りで、無意識のうちに警戒して険しい顔になっていたのかもしれません。日直の日は休んだり、発表のときは保健室に行ったり、スポーツでも1位になると目立つので手を抜いたり、とにかく注目されないように徹底してましたね。

 変わったのは、大学生になってブログを始めてから。ネットだと仲の良い友人と話している感じでリラックスして書けて、しかもそれを受け入れてくれる人がいた。それで自分の意思を出してもいいんだと自信がついたんです。しかも、弱さを見せていくほうが受け入れられることもあって。ネットは広大なので、孤独や不安、生きづらさを吐露しても共感してくれる人が絶対にいるんですよね。特に私は自分を出すのが怖い、出したら社会から排除されるんじゃないかと思っていた時期が長かったので、自分を表現する人に対して世の中は意外と温かいと気づけたことで、大きく変わりました。

 でも、腹が立つことがあっても面と向かって注意できないのは今も相変わらず。自分が我慢して済むことならいいんですが、仕事などであまりにも理不尽だし世の中が変わってほしいなと思ったときは、ツイッターに書き込むようにしています。

 最近あったのは、インフルエンサーにSNSを使って商品のPRを頼む案件で、クライアントが普段の発言内容にまで口を出してくるケース。これは広告主の範囲を超えていると批判しました。

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