今回は友人に起きたことで私は当事者ではなかったのですが、私もPR案件をやらないわけではないので、こんな投稿をすればもちろん傷を負います。少しでも納得してくれる関係者がいれば、そして誰かの役に立てればうれしいという思いですね。

 それに、電通は年功序列の会社だったので、新人の頃は先輩に反論できないことも多かった。「こんな意見もあるみたいですよ」と差し出せるものが欲しかったので、いま同じ立場にいる人が参考にしてくれたらいいなぁとも思います。

 私、自分が思っていることは誰かの「言いたくても言えない」ことなんじゃないかと思ってるんです。代弁者になれたらうれしいし、もちろん自分で自分の言葉に助けられることもあります。仕事の依頼メールには報酬を提示してほしいとつぶやいていたら、今では配慮してくれる人も増えたので、こういうやり方も効果があるんですよね。

 フォロワーとの関係で大切にしているのは、嘘をつかないこと。10年以上私のことを見てきてくれているので、私の好き嫌いや、どういうことで言葉をにごすかなど、私以上に敏感なんです。必要以上に自分を大きく見せようとしたり、逆にへりくだったりするのもダメ。お互いに対等な立ち位置で、敬意を忘れないようにしていきたいですね。(構成/編集部・竹下郁子)

AERA 2017年10月30日号