まるで“江戸時代の長屋”? ヤフーが仕掛けた話題の「LODGE」に集う人々 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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まるで“江戸時代の長屋”? ヤフーが仕掛けた話題の「LODGE」に集う人々

竹下郁子AERA
ジッケンオフィス内は体を鍛えるようにアイデアを練る「GYM(ジム)」やブレストで意見をぶつけ合う「RING(リング)」など八つの空間に分かれている(写真部・小山幸佑)

ジッケンオフィス内は体を鍛えるようにアイデアを練る「GYM(ジム)」やブレストで意見をぶつけ合う「RING(リング)」など八つの空間に分かれている(写真部・小山幸佑)

「座っているだけでいろんな業界のビジネスの話が耳に入ってきて面白いですね。出会いも名前や肩書ありきじゃなく、波長が合うかどうかやその人となりを楽しむという感じ。ビジネスにありがちなギブ&テイクではないコミュニケーションができるのが魅力です」(夏本さん)

 内田さんも夏本さんも元々利用していたコワーキングスペースがなくなったためLODGEに通い始めたそうだが、今では中川さんいわく「常連さん」に。さらに、この場所がきっかけで今年3月、ヤフーに入社したのが社会貢献事業本部の沼田尚志さん(36)だ。

 以前の会社で年功序列型の企業文化に息苦しさを感じ、転職を考えていた沼田さん。当初ヤフーは候補になかったが、LODGEに通うようになり、「大企業なのに親しみがあるな」と興味を持つようになったという。きっかけは、コミュニケーターの中川さんが、沼田さんが見つけた落とし物を一人一人訪ねて持ち主を捜し回ってくれたことだ。

「しかもここにいると副社長の川邊健太郎さんら役員が普通に歩いてて、声をかけると雑談が始まるんです。前の会社では社長クラスの人に会う機会なんてめったになかったので、風通しの良さに驚きました。まさに『情報の交差点』です」(沼田さん)

 入社後もLODGEで多くの時間を過ごしている沼田さん。12社を掛け持ちで働くなど人脈も広いため、今では彼に会うためにやってくる人も多い。取材時も弁護士とIT関係者をつないだそうだ。

「仕事相手というか、毎日友だちと喋ってる感じです。今は社内外のネットワークを促進して種をまいている状態。これがイノベーションにつながると信じています」(沼田さん)

 ヤフーはネットビジネスを手がけ、フリーアドレスや月5日のテレワークなど人と「会わない」ワーキングスタイルに積極的だ。それなのになぜ、対面コミュニケーションの場であるLODGEをつくったのか。

「オフラインの場所の可能性」に改めて気づいたからだと同社オープンイノベーション室・コワーク推進部長の植田裕司さんはAXIS Web Magazineで語っている。コミュニケーターの中川さんも、

「人をつなぐ仕事に短期的な成果を求めるのは限界がある」

 と前置きしたうえで、


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