「よく『私は寝つきがいいんです』という方がいらっしゃいますが、実は体が眠りを欲しているだけで、睡眠の質が低い方も少なくありません」(梶本さん)

 眠りの質を高めるには、仰向けではなく、右半身を下にして横向きで寝ると消化器官に負担をかけず、より熟睡できる。さらに、夫婦で同じベッドで寝ている人の中には、相手のいびきや、体感温度の違いによって眠りが妨げられている人もいる。そんな人は思い切ってベッドを分け、間をカーテンで仕切ることも快眠につながる選択肢の一つだ。

 さらに、梶本さんがリーダーを務めていた、大阪市などとの産官学連携の抗疲労物質の研究プロジェクトで、鶏の胸肉に豊富に含まれる「イミダペプチド」という抗酸化成分が、脳内の活性酸素の除去に有効だということも分かったという。

 研究では、イミダペプチド200ミリグラム入りのドリンクを2週間以上摂取すると、味がそっくりなドリンクを飲んだ場合と比べ抗疲労効果があった。鶏胸肉で摂取するなら1日100グラムが目安だ。

 毎朝スッキリ起きられる、脱ダル重生活には、睡眠と食改善による継続的な「脳ケア」がカギとなっているようだ。(編集部・市岡ひかり

AERA 2017年4月24日号