同団体は3月13日付で、籠池氏が2011年1月に退会していたことを、「日本会議国会議員懇談会」に加盟する各議員に通知した。

 籠池氏は3月10日の記者会見に日本会議メンバーのバッジを着けて臨んでいた。このため、「籠池氏は会員なのか」「森友学園の疑惑の真相は」といった会員らの問い合わせが相次ぎ、内部で籠池氏の会員資格を改めて確認したのだという。
 ただ、籠池氏は退会後も日本会議大阪の運営委員を務めてきたのは事実だ。日本会議の地方組織はそれぞれ独自の判断で役員の委嘱や認定を行っており、こうしたケースも起こり得るという。日本会議大阪は「籠池氏の役職の取り扱いをめぐっては現在検討中」としている。

 籠池氏と交流、接点のあった政治家も一様に火の粉を払うのに躍起だ。

 3月13日の参院予算委員会。森友学園の訴訟への関与を問われた稲田朋美防衛相は語気を強めて反論したが、翌14日には答弁の誤りを認め、謝罪するはめになった。安倍首相は森友学園への批判が高まると、「素晴らしいと聞いた」などと持ち上げていた籠池氏の評価を一変させ、「いかがなものか」「しつこい人」などと突き放した。

教育勅語の瓦せんべい

 しかし、保守系の団体や政治家が、森友学園の「愛国教育」に引き寄せられてきたのは紛れもない事実だ。同学園の教育理念や実践が一部の大人を「感動」させ、国有地取引の問題が浮上するまでほとんど問題視されてこなかったのはなぜなのか。

「国を愛することのどこが悪いんだ、と問われれば、言葉に詰まってしまう人は少なくないと思います。しかし、その表現・表出方法は多様であるべきです」

 神戸大学の山下晃一准教授(教育行政学)は「愛国教育」の“押しつけ”に警鐘を鳴らす。

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