B:急落後の急反発はわかるとしても、そのあとのマーケット関係者の変わりようはすごかったですよね。

C:某ストラテジストはトランプ勝利確定直後、マーケット関係者向けのクローズドな緊急レポートを出して、年末の日経平均予想を1万6千円割れに引き下げたんですけど、翌日にはその見通しを180度転換して、「2万円を目指す」と見方を変えました(笑)。節操がない感じがするかもしれませんが、僕はむしろその柔軟な姿勢に尊敬さえ覚えましたね。

●GSレポートを熟読

B:アナリストやエコノミストが今後の相場見通しを話さなくなりましたよね?そもそも、私自身、国内証券会社のレポートをほとんど見なくなった。全然、当たらないんだもん(笑)。その代わりに、GS(ゴールドマン・サックス)のレポートはじっくり読むようになりました。財務長官に就任したスティーブン・ムニューチン氏や国家経済会議(NEC)議長のゲーリー・コーン氏らGS出身者がトランプ政権に食い込んでいるだけに、GSレポートはトランプノミクスを織り込んでいるように感じる。あとは、トランプさんのツイッターですね。つぶやきでマーケットが動きますからね。マーケット関係者のフォロワーはかなり多いと思いますよ(笑)。

A:トランプ勝利で物色される銘柄がガラッと変わりましたもんね。それまでは、グローバルグロース(グローバル展開する成長銘柄)が相場の牽引役でしたけど、トランプラリーでは出遅れ銘柄と為替敏感銘柄が主役になりました。特に、マイナス金利の影響で収益力が落ち込み、出遅れていた銀行株の上げっぷりはすごかった。成長性はないし、グローバルでもないし、マイナス金利だしっていうんで、誰も買っていなかったのが大きかった(笑)。今や、銀行のポジションを増やさないと勝てない。

B:アメリカと日本の長期金利(10年債利回り)がすごく注目されるようになりましたよね。そのせいで、為替敏感銘柄もよく動く。全然見ていませんでしたけど、私も国内の国債入札は必ずチェックするようになりました。

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