A:それじゃあ、個人の買いは望めませんよね。日銀が買い続けているから、押し目がない。本当は、みんな下がったところを買いたいと思っているのに、日銀がその機会を奪ってしまっている可能性は高い。

──今後はトランプラリーでまだまだ上げるんでしょうか?

B:私は中立ですね。大型減税と大型財政出動はアメリカ経済にとってはプラスですけど、小さな政府を目指す共和党が、財政赤字を大幅に拡大させる予算案を承認するかどうかわからない。IMFのドル/円ポジションで円買いが膨らんでいることを考えるともう少し円高が進む可能性もある。最初の関門はハネムーン期間が終わる3、4月。トランプさんと議会の確執が報じられて日経平均は1万8千円ぐらいの安値をつけるのでは? それを織り込んでから、年後半にかけて2万2千円程度の高値を目指す展開は考えられそう。

A:私は日経平均に対しては強気。この先、ジリジリと上がり続けると見ています。日銀が東証上場銘柄の4分の1を保有している以上、これからは少ないパイの取り合いなんです。日銀が買い続ける以上、大きく下げることはないので、夏ごろには2万4千円までいくと見ています。

C:僕は弱気ですね。というか、今の相場がまったくわからない。1月20日の大統領就任演説でトランプさんは、貿易・移民・外交について「他国がアメリカの会社を盗んで、仕事を破壊している」とまで言いました。大統領選直後は大人な発言で、「実はいい大統領になるのでは?」という期待から株高が進みましたけど、その就任式の“トランプ節”で「やっぱりトランプリスクはある」と感じたマーケット関係者は多い。なのに、マーケットはリスクを織り込んでない。というのも、投資家のリスク許容度を示す、アメリカのVIX(恐怖指数)は直近で10ポイント台なんです。昨年秋以降は14~16ポイント台で推移し、トランプ勝利の際には23ポイントを超えたのに、今は低すぎる。4~5月のフランス大統領選挙などでまたEU離脱機運が高まる可能性もあるし、トランプさんの移民政策などに反発したイスラム過激派のテロのリスクだって高まっている。ちょっとマーケットは楽観視しすぎている印象があるので、日経平均は行って2万円かなと……。

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